2009年8月4日火曜日

指輪物語9 王の帰還下

新版 指輪物語〈9〉王の帰還 下

J.R.R. Tolkien 著
瀬田 貞二、田中 明子 訳

評論社文庫

9巻目。いよいよ本編の最後の巻。やはり、この巻も分厚い。

この巻は7巻の続きで、前半部分はフロドとサムの話が中心。クライマックスの指輪を棄却する部分は、他の盛り上がるはずの部分同様たんたんと事が進むように書かれている。もうちょっと盛り上がるような描き方はできないものかね?

後 半は、フロドとサムを救出した後、指輪棄却の喜びの宴と仲間の別れ、さらには4人のホビットのホビット庄での活躍(サルマンが牛耳っていたホビット庄を開 放する)が描かれる。そして、エルロンド、ガラドリエル、ガンダルフ、フロドが灰色港から西の国へ出港するところで完。

映画とは違うところは、各地での宴がカットされていたり、王の戴冠式とアルウェンとの結婚式が一緒になっていたりとしたところ。あと、ホビット庄に戻ってのサルマン撃退の部分がすっかりないことだ(実際撮影したらしいが公開はされていない)。

長かったけれど、ファンタジーの代表作というのもうなずける大作だと思う。この作品を元に多くのRPGの世界観とかキャラクターが生まれたのもうなずけるよ うな、詳細な設定がすばらしい。このような大作にはつじつまが合わない部分があったりするのだけど、この作品にはそういった部分が感じられなかった。

次は、追補編。時代背景、王やエルフの系譜、旅の仲間のその後が紹介されるのだろう。

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