2010年7月31日土曜日

モチベーション3.0

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

ダニエル・ピンク 著
大前 研一 訳

講談社

私は知らなかったが有名な作家で「ハイコンセプト」などの著書があるダニエル・ピンクのやる気について書かれた本。大前研一が翻訳をしている。

この本では人を動かすためのOSがあると言い、その最初のOSが<モチベーション1.0>で生存を目的にしていた。次の<モチベーション2.0>は、いわゆるアメ(報酬)とムチ(罰)を使ったものでルーチンワークに有効だった。しかし、21世紀を迎えてモチベーション2.0ではうまく行かないことが多くあり、OSをバージョンアップする必要がある。そのバージョンアップされたOSが、<モチベーション3.0>だ。

モチベーション3.0は、2.0のような外的な要因ではなく、自分たちの内的な満足感などと結びついている。これには、3つの要素がある
  • オートノミー(自律性)
  • マスタリー(熟達)
  • 目的

これらをうまく使うと現代の仕事(ルーチンワークではないクリエーティブな仕事)にやる気を起こさせることを書いている。過去の多くの学者の実験結果や先進起業の取り組み(例えば在宅勤務やGoogleの20%ルールに類似したものなど)を詳細に調査/取材したことを伺わせる部分が目を引く。

このようなある意味証拠があると説得力が増すの自分に対して、仕事、子供への教育などに応用していきたいと感じている。

2010年7月25日日曜日

達人プログラマー

達人プログラマー―システム開発の職人から名匠への道

Andrew Hunt、David Thomas 著
村上 雅章 訳

ピアソンエデュケーション

いろんなところでエンジニアとして読むべき本として紹介されていた本。他の本にもあるような内容も多い(こちらの本がオリジナルのような気がするが)。

開発の局面では、UMLでの設計、ソースコード管理システム、自動単体テスト、リファクタリング、継続的インテグレーションなどが詳しく書かれている。

また、達人のプロジェクトの運営などについても書かれている。

2000年の本なので、やや情報が古いがしょうがない。それなので、積極的にオススメはできないな。特にCORBA。久しぶりにこの名前を聞いたよ。

今の時代にあったこうゆう本はないのだろうか?

2010年7月11日日曜日

北海道旅行の写真

7/2~7/4の北海道旅行の写真。




















飛行機は、行きも帰りもピカチュー飛行機
















ペンギン
















アザラシ





















アザラシ館の人気展示の筒をアザラシが通る(筒の向こうにいるのは私と娘)

















シロクマ

















私のお目当てカピバラ
















暑くて寝ている(溶けてる)カピバラ






















娘の大好きなキリン
















札幌-旭川間の移動に使った特急スーパーカムイ




















札幌時計台























北大キャンパス内のクラーク胸像(有名な全身像は札幌の別の場所らしい)

2010年7月10日土曜日

クラウド

クラウド グーグルの次世代戦略で読み解く2015年のIT産業地図

小池 良次 著

インプレスR&D



ITジャーナリストでサンフランシスコ在住の小池良治さんのクラウドを解説した本。グーグルの動きを中心に今までの歴史というか過去のできごとから数年後の世界を大胆に予言し(?)ている。

IT業界の人間だけでなく、最新のITに詳しくない人でも読めるように、新しい概念などは解説に加えて、大変分かりやすい日常生活に密着した例を用いていて好感が持てる。いろんな人への説明がしやすくなるために、こういう例を使えるようになりたいものだ。また、ITに詳しくない人向けなのか、通常アルファベットで書くものの多くをカタカナで書いている。個人的にはプログラミング言語のJavaを「ジャバ」と書くのは非常に抵抗がある。もう少しアルファベットのままでもいいのではないかと思った。

著者は通信業界が専門とのことで、そのせいかアプリケーションだけでなく、ネットワークやデバイスを含めた総合的なものの見方で論じているところがすばらしい。クラウドビジネスの普及期を切り開く条件として、クラウドアプリケーションサービス(ネットアプリケーション)、クラウドインフラサービス(データセンター)、クラウドネットワーク(ネットワークパフォーマンス)を挙げている。さらにクラウド成熟期を担う条件として、モバイルネットワーク、クラウドコンテンツサービス(コンテンツとアプリケーションの融合)、オールIPネットワーク(マルチデバイスネットワーク)としている。これらがいずれも2011年から普及期、2015前後から成熟期と予測している。もっと早く来そうな気もするが、これは私がIT業界にいるからそう思うだけか? 一般の人まで認知されるには急速な変化を遂げている世界でも、2015年くらいになるというのだろう。

最後に日本はソフトウェア業界でアメリカに遅れを取っているが、追いつくためもしくは今後のクラウド時代に向けて、いくつかの提言をしている。
  • 社内IT教育の充実
  • 終身雇用制度の見直し
  • 人材流動性の高い(中途採用、中途退社に寛大な)起業風土
  • シリコンバレーとの人材交流

このクラウド時代を担う身としては、近い将来においてのクラウド化の予測と日本の提言を肝に銘じて、これから時を有意義に過ごして行きたい。

2010年7月9日金曜日

フリー経済学入門

フリー経済学入門 【知らないではすまされない! 世界を支配する「フリーミアム」の解説書】

苫米地 英人 著

フォレスト出版


クリス・アンダーソンのFREEの日本版?+使う側の立場にたった考えを書いている。

フリーにまつわるいろいろなことが書かれているが、どうもしっくりこない。アメリカ政府のドルを多額の税金を徴収しているとか、銀行は通帳に印字するだけで儲けているなんてことを言われても、本当に?と思ってしまう。著者は脳科学の研究だったり、ジャストシステムの研究員だったり、きっと天才的な頭脳の持ち主なんだろうけど、私のような凡人には彼の書いたものは理解できないということなのだろうか?

途中途中に自分の開発しているプログラムの宣伝をしたり、やっぱり全体的に良い内容とは言えない。巻末に読者からの声ということで、この本を読んでよかった、人生が変わったなどが数ページに渡って並んでいるが、こんなにたくさん良いことばかり投書が来たかも疑わしくなってくる。

クリス・アンダーソンのFREEが良かっただけに、便乗本だとしても、もう少し身になる内容だとおもったのだが...

2010年7月5日月曜日

北海道旅行

7/2~7/4の日程で北海道(旭山動物園、札幌)に行ってきた。

7/2お昼ごろの飛行機で札幌へ。娘はお昼寝の時間に重なったため、途中から寝てくれた。おかげで飛行機の中では騒がず、良かった。が、新千歳から旭川までの電車での2時間は騒ぎっぱなし。周りの人に迷惑を掛けて申し訳ない(それでも騒がないように言ったのでひどくは無かったが...)。

旭川のホテルはロワジールホテル。夜は、ホテルのレストランで地産地消のビュッフェ。ホタテの刺身は薄すぎて閉口したが、イクラはうまかった。その他、ジャガイモ、ホッケ、塩辛、カニなどまぁそれなりにうまい。

翌日7/3は、今回のメインイベント旭山動物園へ。ペンギン、アザラシ、シロクマの行動展示はさすが。やはり、アザラシが筒を抜ける有名な展示は良かった。レッサーパンダは通路の左右に敷地があって、通路の上にハシゴがかかっているおもしろい作り。ただ、レッサーパンダは木の上でお昼寝してハシゴを渡ってくれなかった。

チンパンジーやオラウータンの行動展示は、幼稚園の遠足と思われる団体といっしょになったので、キャンセル。これも見てみたかった。なんとここには、カピバラもいた。クモザルと共生する展示方法だが、クモザルは木の上、カピバラは地面と交流はなさそう。ハムスターやアヒルなどと触れ合えるエリアもあったが、ここは時間があわなくて触れず。そういえば、モグモグタイムという各動物にエサをあげる時間があるが、1つも見なかった。

展示エリア以外にも、だだっ広い芝生があったり、図書館があったりと北海道だと思わせる作り。ただし、曇りにも関わらず暑かった。カンカン照りじゃなくて良かったが。

娘は、大好きなキリンを間近に見ることができてうれしそう。アザラシやシロクマにも大興奮だった。

動物園をあとにこのまま札幌へ移動。札幌では、時計台近くの寿司屋兼居酒屋風のお店へ。時不知(ときしらず:鮭の一種)や鮭の肝臓の醤油漬け、寿司を堪能。

7/4の朝は、泊まった京王プラザホテル近くの北海道大学へ潜入。クラーク博士の胸像を見て、ぶらぶら散策。ここも、芝生と大きな木がいっぱいで大学とは思えない広さ。こういうところをキャンパスと言うのだろうと思う。

ということで、2歳の娘には移動が多くて静かにしないといけない大変な旅行だったと思うが、動物園は楽しそうだった。大きくなったら、また行こう。

写真は整理した後、投稿予定。

2010年7月2日金曜日

日本語作文術

日本語作文術

野内 良三 著

中央公論新社



名前の通り日本語での文章を作成について書かれた本。ただし、論文やレポートなどの特定の用途の文章ではなく、もっと基本的で汎用的な文章の書き方について述べている。

本書では文章を書く基本は3つと言っている。
  • 短文
  • 文をまとめる(段落)
  • 段落組み立てる(論証)

文章を短くすると多くの場合それだけで悪文を退治できる。また、語順、読点の打ち方、ハとガの使い方などで良い文章ができる。著者は、日本語の文章を書くこと(書き言葉)は、外国語だと思って捉えることと言っている。これは、なかなかおもしろい考え方と思う。話し言葉と書き言葉は日本語では違いが大きいので、書き言葉を外国語だと思うことで、見えてくることも多いとのことだ。

2番目の段落は、1つの段落の最初に結論を書くのが良いとしている。もちろん最後でも良いとは思うが...
以前、英語のTOEICの長文読解の試験対策で、各段落の1行目だけを読んでも何について書かれているかぼんやりわかるというのがあった。これは、まさに最初の段落に結論を書いているからだ。

3番目の論証は、演繹法と帰納法を説明し、それぞれどのような場合に適切かを述べている。なんとなく、話の持って行き方はわかっているつもりだが、このようにちゃんとしたセオリーを読むとなるほどと思う。

また、著者はこなれた日本語をつかうために、定型表現を多く使うことを薦めている。本書の最後には定型表現をまとめたものが使用例と共についている。意味は知っているが使うことがない(私のレベルでは使えない)や意味さえ知らないものも多くあった。文章を書くことが得意ではないくせに、このようなブログを書く身としては、これら定型表現を勉強しなければならないと感じる。