2010年7月2日金曜日

日本語作文術

日本語作文術

野内 良三 著

中央公論新社



名前の通り日本語での文章を作成について書かれた本。ただし、論文やレポートなどの特定の用途の文章ではなく、もっと基本的で汎用的な文章の書き方について述べている。

本書では文章を書く基本は3つと言っている。
  • 短文
  • 文をまとめる(段落)
  • 段落組み立てる(論証)

文章を短くすると多くの場合それだけで悪文を退治できる。また、語順、読点の打ち方、ハとガの使い方などで良い文章ができる。著者は、日本語の文章を書くこと(書き言葉)は、外国語だと思って捉えることと言っている。これは、なかなかおもしろい考え方と思う。話し言葉と書き言葉は日本語では違いが大きいので、書き言葉を外国語だと思うことで、見えてくることも多いとのことだ。

2番目の段落は、1つの段落の最初に結論を書くのが良いとしている。もちろん最後でも良いとは思うが...
以前、英語のTOEICの長文読解の試験対策で、各段落の1行目だけを読んでも何について書かれているかぼんやりわかるというのがあった。これは、まさに最初の段落に結論を書いているからだ。

3番目の論証は、演繹法と帰納法を説明し、それぞれどのような場合に適切かを述べている。なんとなく、話の持って行き方はわかっているつもりだが、このようにちゃんとしたセオリーを読むとなるほどと思う。

また、著者はこなれた日本語をつかうために、定型表現を多く使うことを薦めている。本書の最後には定型表現をまとめたものが使用例と共についている。意味は知っているが使うことがない(私のレベルでは使えない)や意味さえ知らないものも多くあった。文章を書くことが得意ではないくせに、このようなブログを書く身としては、これら定型表現を勉強しなければならないと感じる。

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