2009年1月9日金曜日

サッカーとイタリア人

サッカーとイタリア人

小川 光生 著

光文社


新年1冊目は、軽めに新書のサッカー本から。

ヨーロッパサッカージャーナリストの著者による、カルチョ(イタリアサッカー)とカンパニリズモ(郷土愛)についての本。

各都市ごとにチームの紹介(歴史やシンボル、チームカラー)などから同一都市にあるチーム同士の対戦であるデルビー(イタリア語、一般的にはダービーと呼ばれる)の様子などが書かれている。また、ティフォージ(ファン、サポーターのこと)や地元記者から取材した内容も含まれる。

私のよく知っているカルチョは2000年代中頃で、その前は有名な事柄しか知らなかったのだが、カルチョ創成期からの各チームの流れを見るとこのチームは昔は強かったのかとか、あのチームはここ20年くらいで急速に力をつけたのかとか、知らなかったことを知ることができた。理解はしていたが、イタリア人は誰もがカルチョを愛し、デルビーで熱狂するのは、イタリア建国の歴史にも関係があると思われる。
各都市の歴史を見るといろいろな国に支配されて来たのが良く分かるが、イタリア全体の歴史という意味では局所的になってしまっているのが残念。最初にイタリア建国の歴史が大局的に書かれているとさらに良かったと思う(でも、そうするとサッカーの本ではなくなってしまうのかもしれないが...)。

カルチョが盛んで強いチームのあるトリノ、ミラノ、フィレンツェ、ローマあたりを中心に書いているのかと思ったが、南部や小都市のチームまで網羅されているのはさすが。ベネチアや昔応援していたブレシアなどもあればもっと良かったな。

私は以前カルチョとチャンピオンズリーグ好きだったが最近はあまりチェックしていなかったので、また追いかけたいと思ってしまった。

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