2009年1月16日金曜日

4‐2‐3‐1

4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する

杉山 茂樹 著

光文社


「サッカーは布陣でするものか?」について、著者が観戦したり監督や選手からのインタビューを交えて論じた本。まず、「サッカーは布陣でするものか?」と聞かれたら自分は、「布陣でするものではない」と答えるだろう。ただし、「布陣はサッカーの重要なファクターの1つだとは思う」と続ける。

サカつく(プロサッカーチームとつくろう)というサッカーチームの経営シミュレーションゲームを何作かプレイしているが、フォーメーション(布陣)は必ずといって良いほど「4-2-3-1」か「4-3-3」を選択する。これは、「4バック好き」「サイド攻撃好き」から来ている。これから考えても、自分は知らず知らずのうちに「サッカーは布陣でするものだ」を体現しているのでないかと思ってしまった。

さて、全編を通じて著者は、「4-2-3-1」や「3-4-3」などのプレスをかけて、片側サイドに2人アタッカーがいるサッカーを攻撃的とし、世界の有力国やヨーロッパの強いチームに多く見られることを論じている。加茂周、岡ちゃん、トルシエ、ジーコと続いた日本代表はいずれも「4-2-2-2」や「3-4-1-2」を採用し、時代遅れと言っている。日本のような弱国は相手の優位に立つようなことを1つでも多くやらないとジャイアントキリングはできないのに、時代遅れの布陣では絶対に世界では通用しないのだ。ジーコの後釜のオシムは今までの悪い常識を覆して「3-4-3」などを採用しやっとまともな監督だと思った矢先に病気となり退任したのが非常に惜しい。この先、再登板した岡ちゃんでどこまでいけるのだろうか?

以前、いつだったかも忘れたが、「4-2-3-1」を初めて雑誌で見たとき、これはすばらしい布陣だと思った記憶がある。その記事にも日本代表はこの世界ではやり始めたこの布陣を採用すべきだと書かれていたと思うが、いまだに採用されないのは日本が依然としてサッカー後進国だからなんだろうか。

高い位置でプレスをかけ、ボールを奪い、そのままの流れでサイドを崩して得点するような華麗なサッカーを日本代表で早く見てみたい。

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