2010年12月29日水曜日

グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた

 グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた

辻野 晃一郎 著

新潮社



元ソニーで、前グーグル日本法人社長、現アレックス株式会社CEOの辻野さんの書かれたご自身の半生。ソニーを変えたいと奮闘したがかなわず、グーグルに移籍。そこで、昔のソニーのような自由な雰囲気とイノベーションを感じ、そして、日本発とアメリカ発の世界企業に勤めた経験を元に自身で世界企業を作るべく創業とすばらしい人生を歩んでこられたのだと思う。

辻野さんのソニーでのキャリアは、研究所から始まり、戦略スタッフ、VAIOデスクトップ、テレビ(コクーン、スゴ録)、音楽(ウォークマン)と進んでこられて、これを見ただけではソニーの出世コースまっしぐらのように思える。事実、若くしてVAIOのトップになったりしたようだが、任される部門はいつも業績が悪いところばかり。しかも、うまくいったところで、プロジェクト中止や異動と思いどうりにならなかったようだ。それでも、ソニーを変えたいという思いだけで、次の仕事をして結果をだそうとしたところなど、見習いたい部分である。私が言うのもなんだが、辻野さんは世渡り上手なタイプではないらしい。しかし、ソニーはそういう人を受け入れ最高のパフォーマンスを出させる環境を作る会社のように思っていたが、本書を読むと最近のソニーはそうではないように見える。これも大企業病におかされているのだろうか。そういう意味では、グーグルは昔のソニーのような雰囲気で居心地の良い会社だったに違いない(ソニーもグーグルも自分が経験したことないが...)

辻野さんは、ソニーをお辞めになった後、グーグルに入社するまでの間、ハローワークに通ったという。ソニーの幹部からハローワーク、そしてグーグルとそのギャップに驚くばかり。ハローワークで隣の人が先月までソニーの幹部だったと聞いたら、さぞかしびっくりすることでしょう。

現在、辻野さんはアレックス株式会社を創業されたが、日本が生んだ世界企業のソニーとアメリカが生んだ世界企業のグーグルの両方に勤務した経験を元に、自分の理想を会社を作るのだと思う。今後、注目していきたい。

0 件のコメント: