2010年12月17日金曜日

図で考えるとすべてまとまる

 図で考えるとすべてまとまる

村井 瑞枝 著

クロスメディア・パブリッシング



戦略プロデューサの村井瑞枝さんのコンサルタント時代に身につけた図で表現することの素晴らしさを伝えている本。著者の村井さんは、調理、アートを勉強したのち、コンサルタントとして活躍され、現在はレストラングループで戦略プロデューサとユニークな経歴の持ち主。

冒頭、資料を作成する際、どのように表現するか?と問いかけがある。通常は文字、さらに突っ込んで数字を使う人がほとんどだ。しかし、図にすると一瞬で相手が理解できたり、自分の考えを整理できたり、良い事ずくめだという。私も図の力は分かっているつもりだが、どうも絵心がないので、躊躇したり、うまく書けなかったりした。しかし、本書では、絵のうまい/へたは関係ないと言っている。それもそのはず、村井さんが紹介する図は、どれも簡単に描けるものばかりだからだ。

以下にその基本の図7パターンを紹介する。
  • 因数分解(モノゴトを分解して考える)
  • マトリックス(モノゴトを分類して考える)
  • 表(頭を整理する)
  • 比較(比べることで良いものを際立たせる)
  • 線表(時間を可視化する)
  • コンセプト(アイデアをシンプルに伝える)
  • プロセス(モノゴトの流れを捉える)

実際の図は、本書を読んでもらうとするが、どれも四角、三角、円、直線を組み合わせただけの簡単なものだ。これらの図を習得するのは簡単だが、どの場面で使うかがその人のセンスに関わってくると思う。ソフトウェアのアルゴリズムも、数学の理論も、同じで知っているだけではダメで、どう使うがポイントになるだろう。

図を描くのは今の時代パソコンで描くのは当たり前だが、著者は以下3つの手書きの良さも紹介している。
  • アイデアが浮かぶ
  • 簡単に直せる
  • 人を巻き込む

特になるほどと思ったのが、3番目の「人を巻き込む」だ。手書きだと、図が途中という印象を相手が受けて、一緒に完成させようといろいろな意見を出してもらえることが多いそうだ。確かにキレイにパソコンで描かれていると完成版のような印象を受けてしまう。

その他、図だけに限らず資料の作成の方法も書かれている。図はある程度の構想が決まるまでは手書きとして、パソコンでの作業は清書とするのが良いとしている。これは「スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン」でも紹介されている方法だ。図以外では、フォント、色、タイトルのつけ方、文章の書き方などについても言及されている。

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