2010年3月31日水曜日

ライフログのすすめ

ライフログのすすめ―人生の「すべて」をデジタルに記録する!

ゴードン ベル、ジム ゲメル 著
飯泉 恵美子 訳

早川書房


元DECで現マイクロソフト研究所のゴードン・ベルによるライフログに関する本。ゴートン・ベルは、マイクロソフトでライフログの研究を行っている。本書は、ライフログの基本からどのような良いことがあるのかや実践するためのヒント、未来の姿を示している。

ライフログと聞いてイメージしたものは、日付単位でもしくは時系列に自分の記録を残していくもの、つまりブログや最近ならばTwitterに代表されるマイクロブログ、もしくはmixiなどのSNSの進化したものだと思っていた。ライフログ=人生の記録とするならば、普通の人は日記を思い浮かべると思う。日記はアナログで、かつ文章が基本だが、現代においての日記は、ブログでありマイクロブログでありSNSである。これらはデジタルデータで、かつ文章に加えて画像、動画、音声などが使える。
より簡単によリ詳細に記録を録ることができ、ライフログとはこれらの進化版と考えていた。

しかし、本書のライフログはちょっと違う。テキスト、画像、動画、音声などのデジタルデータを「自動」で可能な限り収集する。つまり、見たもの、聞いたこと、しゃべったこと、そのときの感情、体での心拍数や脈拍の変化などすべてを記録するとしている。さらに、身の回りのありとあらゆる情報、つまり書類、請求書、メモ、記念品などすべてを記録する。これだけ記録するとストレージがいくらあっても足りなくなりそうだが、今劇的にストレージ容量は大きくなり、価格は下がっているので問題ない。また、この情報をすばやく検索する仕組みも必要となる。このような、大量のデータを自動で保存し、効率よく検索することが10年以内に実現されると言う。ここまでやると忘れたい記憶なんかを忘れられないので困ってしまいそうだが、それを差し引いてもメリットがあると本書では言っている。

「自動で収集」できるというところがポイントで、これができないとあまりに面倒で誰もやらないと思うが、スマートフォン、デジカメ、GPS、ボイスレコーダー、スキャナ、Evernoteなんかを使えば今でもたいていのことはできる。全部手作業と面倒だが...
この面倒な作業と引き換えに多くのメリットが得られるということだが、本書にはこれを実践しているゴートン・ベルの良かったことがたくさん載っている。

やるかやらないかは自分次第だが、確実に10年以内には多くのことができるようになると言う。本当かどうかはわからないが、すべての個人記録をデジタル化するという生活はどうなんだろうかと考えさせられた。しかし、もう少し楽になれば、自分もせっせと記録しているようでちょっと怖い...

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