2009年11月5日木曜日

ITコンサルタントのための要件開発入門

ITコンサルタントのための要件開発入門

工藤 浩志 著

技術評論社


ソフトウェアの要求を要件にするにはどのようにするか、どこに注意すればよいかについて書かれている本。著者 は、ITコンサルタントとしてIBMで活動した後、豆蔵に移籍したバリバリのコンサルタント。だからか、紙面にも図表が多く、いかにもコンサルタントが書 いたと思わせる作りになっている。

本書では要求から要件に仕上げる方法を「要件開発」と呼んでいて、要件開発を以下のように言っている。
従来のように、要求はあたえられるものではありません。(中略)目に見えない要求を引き出し、要件として整合性が取れた仕様へと開発する行為、それが要件開発なのです。
しかし、これは簡単ではない。要求元は多く、目的が曖昧、顧客は時間がない、合意形成が難しいなどがあり、要件開発者は「リーダー」「ファシリテーター」「要件定義者」を兼ねなければならない。

本 書では、この難しい要件開発をうまくできるようにするネタやコツを紹介している。いろいろな要素が出てくるがすべてと言っていいほど、3つポイントや要因 など「3」で説明されている点が特徴的だ。最初は3つなので覚えやすいと感じたが、3つ固まりがたくさんでてくるので、途中から分けわからなくなってき た。せっかく、全体を通して3にこだわっているのにちょっと残念。

最後の方に実 践!要件開発「思考法」というくくりの3章があるが、このあたりに具体的な例を使って説明してもらえると分かりやすいと思った。もちろん、この本だけで ITコンサルタントや要件開発ができる人材になれるとは思っていないが、終始さわりの説明だけのように感じた。もう1歩突っ込んでもらいたかった。

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