グーグル革命の衝撃
NHKスペシャル取材班 著
新潮社
NHKが詳細な取材を元にまとめたGoogle本。他の似た本と何が違うかって、Google内部の社員いずれも幹部クラスに徹底的な取材を行っているところ。Google関連のビジネスをやっている会社にも取材をしており、なかなか充実した内容となっている。
Google幹部は、CEOのエリック・シュミット、創業者のラリー・ページ、サーゲイ・ブリン、その他副社長などたくさん。Googleビジネスに関連した企業は、SEOの会社とその顧客、AdSenseで売上を伸ばした花屋さんなど。
内容は、他のGoogle本と大きくは変わらないような気がするが、このまま人々がGoogleに依存した生活をして大丈夫なのかという提言をしている。特に個人情報や行動、購入の履歴をGoogle経由にすることは便利かもしれないが、Googleに生活のすべてを握られているようになる。まだ、Googleはそのようなビジネス/サービスを始めていないがいずれ始めたときに大きな問題になるかもしれない。
Googleが購入履歴(クレジットカードの使用履歴)を持ち、健康状態を把握して、どこからネットに接続したか(行動履歴)を知っていて、その情報を元に個人向けサービスを始めたら...
Googleがそんなビジネス/サービスを始めたら自分はどうするだろうか?
今考えるとちょっと嫌な感じがするが、そのときになったら普通に使っているかもしれないな。そのときにならないとわからないのが正直なところだ。
あとがきに大学生が論文を書くのにGoogleで検索して適当につなぎ合わせることをしているなんてことが出ている。昔のようにいろんな文献を読んだり、試行錯誤したりといった苦労しないでは、早くできるかもしれないが、新たな発見がないので、これでいいのだろうかとの懸念が書かれている。まさにその通りで答えに行くまでの過程をショートカットすることで時間は短縮したが、大事なものを得られない世の中になっているのかもしれない。今後10年でどのような変化があるかじっくり体験させてもらおう。
2010年4月19日月曜日
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