2008年6月23日月曜日

シリコンバレー精神


シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土

梅田 望夫 著

ちくま文庫






梅田さんが96年から2001年に毎月1通書いた手紙をいくつかのグループ分けをして読みやすくしたのに加えて、2006年に書いた長いあとがきをまとめた本。1通の手紙が短いので簡単に読める。

気になったのは、2つ。「日本のベンチャー」と「ナード」。

1つ目「日本のベンチャー」。

日本での「ベンチャー」は、本来の意味とは違う。
1. 下請け、受託開発中心の中小・零細企業はベンチャーとは呼ばない。これはスモールビジネスと呼ぶのが良いらしい。
2. 資金調達方法により4つに分類できる
A. 借金型・・・今の時代に合わない
B. 爺殺し型・・・アスキーの西さんなど、類稀な才能が必要
C. 若きスーパースター型・・・楽天の三木谷さん、マネックス証券の松本さんなど
D. シリコンバレー型
A~Cは、個人に依存しすぎているため、失敗時のリスクが個人となってしまう。「創業者とその他大勢」や「超ハイリスク・超ハイリターン」という構図になる。
Dは、日本にほとんどない。「富の分配」「再挑戦可能」「返さなくても良い金」などシリコンバレーのルールと同じものが必要。これが次々に生まれる仕組みが新しい日本のプラットホーム(土台)をなるはずで、実現すれば日本のベンチャーは一変する。アップルとグーグルの著者も日本のベンチャーが生まれないのは仕組みの問題と言っていた。日本じゃ簡単にはいかないだろうな。

2つ目「ナード」。

「日本ではナードを理解していない、大切にしていない」と言っているが、まさしくその通り。IT業界ではプログラムする人より、管理者の方が一般的に偉いという風潮だ。この考えは分からんでもないが、根本的にはおかしいと思う。

また、ナード(もしくはギーク)を、
「大好きなプログラミングという作業を朝から晩まで誰にも邪魔されずにやっていたい」と心から思う「情報化社会を支え発展させている」人々
と言っているが、こうゆう人が日本には少ないし、オタクと言われておしまいのような気がする。もう少し、全体として考えを改めないといけないのでは...

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