パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則
江渡 浩一郎 著
技術評論社
読む前は、タイトルの「パターン、Wiki、XP」から、現在のソフトウェア開発に必要なツール、考え方、手法を関連付けて解説している本かと思っていた。この3つの関連が良く分からなかったが、興味のある3つの言葉とWEB+DB PRESS plusシリーズということもあり、ほぼタイトルだけで買った本だ。読んでみるとまったく違うことがわかった。
著者は、Wikiの起源から現在までを書こうとしていたようだが、それを調べるうちにXPへ、そしてデザインパターンに行き着く。さらに調べるとデザインパターンの起源は、なんとアクグザンダーという建築家(!)の建築に関するパターンだとわかる。ということで、本書は、前半に建築のパターンがどのようにして生まれたかをアレグザンダーの活動を中心に書かれ、その後デザインパターン、XP、Wikiについての歴史から現在までを記している。
最初の自分の期待とは違う内容であったが、けっこうおもしろかった。ソフトウェアを作るときに成り立ちを知る必要はないかもしれないが、歴史を勉強することは悪いことではないと思う。デザインパターンで有名なGoF(Gang of Four; エーリヒ・ガンマ、リチャード・ヘルム、ラルフ・ジョンソン、ジョン・ブリシディース)、XPで有名なケント・ベック、Wikiで有名なウォード・カニンガムが元はアレグザンダーのパターン・ランゲージに影響を受けてつながりがあるなんて、思いもよらなかった。ここ10~15年くらいのソフトウェアに関する手法などは、アレグザンダーを起源にその影響を受けた人たちが中心になって作り上げたんだなというのがよくわかる。アラン・ケイやビル・アトキンソンなども出てきてソフトウェア史を知るにはおもしろい本だと思う。
2010年2月15日月曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿