2010年9月15日水曜日

アップル vs グーグル

アップルvs.グーグル

小川 浩、林 信行 著

ソフトバンククリエイティブ



現在、多くの人を魅了する製品/サービスを作り出しているアップルとグーグルについて、主に携帯電話(スマートフォン)にまつわる話について書かれた本。

アップルとグーグルでスマートフォンと言えば、iPhoneとAndriodの争いが取りざたされているが、元々アップルとグーグルは仲の良い関係だった。グーグルCEOのエリック・シュミットがアップルの社外取締役を務めていたことでもそれはわかる。しかし、エリック・シュミットがアップルを辞め、両社がスマートフォンの開発に乗り出すと急激に関係が悪化した(ように見える)。

本書では、そのあたりの経緯やその後の両社の動き、考え方などが書かれている。

両社は関係が悪化してはいるが、本気で喧嘩をしているわけではないという話もある。いくつか紹介すると、両社はHTML5を強力に推進しているという点ではパートナーだし、お互いがいるために自社の製品(iPhoneやAndroid)が注目を集める結果になると知っている。そのあたりのかけ引きなんかがおもしろい。

また、対照的なのが、製品やエコシステムに対する考え方だ。アップルは1社でハードからソフトまですべてを作り、販売するのに対して、グーグルは基盤を作り、無料で公開して賛同する企業を集める。どちらの考えが良いというのはないと思うが、考え方を徹底しているところが他社のマネできないところだと思う。

アップルCEOのスティーブ・ジョブズは、iPodを作る際、日本の携帯型音楽プレーヤーは素晴らしい発明だが、ソフトを改善する余地があったので、iPodを作ったというような発言をしている。ここでポイントは、ハードではなくソフトに注力している点だ。ハードはどんなにがんばっても生産した分の材料費など原価がかかるが、ソフトは1度作ってしまえば原価がかからず大量に生産できるところ。だから、アップルはハードデザインに力を入れているように見えるが、実はソフトに力を入れている。最近のソニーはがんばっているようだが、アップルの徹底したモノ作り(ソフト作り)を日本も見習って欲しい。

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